臨床研究とは
病気の予防、診断、治療方法を改善したり、患者さんの生活の質を向上させたりすることなどを目的として実施される、人を対象とする医学的研究を、臨床研究といいます。具体的には、現在すでに使われている薬剤、治療機器、治療手技や診療手段の新しい使い方の研究、または未承認薬の効果の検証、新しい治療機器や治療法を実用化する研究、などが含まれます。 すべての臨床研究は、倫理委員会の厳しい審査を通過して承認されないと、実施することができないことになっています。したがって、現在行われている臨床研究には安心して参加することができます。 蘇生会総合病院ではさまざまな分野の臨床研究を、当院が独自に、もしくは他の複数の医療機関と協力して、行っています。
オプトアウトについて
通常、臨床研究は、患者さんへ研究のご説明・同意(インフォームド・コンセント)をいただいた上で実施します。しかしながら、臨床研究のうち、患者さんへの侵襲や介入がなく診療情報のみを用いる研究や、余った検体のみを用いる研究は、国が定めた指針( 「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」)に基づき、対象となる方から個別に同意を得ることなく実施することがあります。この場合、あらかじめ研究内容の詳細についてWebサイト等で情報公開するなどして患者さんが拒否できる機会を設けており、このような手法を「オプトアウト」といいます。当院でも、国が定めた倫理指針に基づいてオプトアウトを行っております。ただし、研究に関する情報を公開し、研究に診療情報や検体が使用されることを拒否できる機会を保障するようにします。診療情報や検体が研究に用いられること、提供されることについてご了承いただけない場合、ご質問等がある場合にはお申し出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
現在蘇生会総合病院で実施している臨床研究の一覧
| 承認番号 | 臨床研究名 | 研究代表者 | 承認日 |
|---|---|---|---|
| 倫R07-01 | 「レセプト及びDPCデータを用いた循環器疾患における医療の質に関する研究」事業へのデータ提出 | 心臓血管センター 河野龍而 | 2025/1/8 |
| 倫R07-02 | 脳腫瘍摘出時の術中リアルタイムモニタリング | 脳神経外科 野田公寿茂 | 2025/4/21 |
| 倫R07-03 | 認知行動療法スーパービジョンに伴う治療記録の院外提出について | 臨床心理科 近藤真世 | 2025/5/1 |
| 倫R07-04 | 急性汎発性腹膜炎に対する至適栄養管理の検討 | 外科 土師誠二 | 2025/5/28 |
| 倫R07-09 | 日本人における甲状腺癌に対するレンバチニブの至適血中濃度の検討 | 耳鼻咽喉科 曽我美遼 | 2025/10/30 |
| 倫R08-02 | 骨粗鬆症性椎体圧迫骨折に対する後弯矯正術の除痛効果の解析 | 脳神経外科 五味正憲 | 2026/1/21 |
| 倫R08-04 | 脳神経外科疾患に対する開頭術の成績に関わる因子の解析 | 脳神経外科 五味正憲 | 2026/1/28 |
| 倫R08-05 | 脳動脈瘤に対するコイル塞栓術臨床成績、再発因子についての研究 | 脳神経外科 五味正憲 | 2026/1/28 |
| 倫R08-06 | 中枢性疾患の発症とPIPK1炎症カスケードの関係についての研究 | 脳神経外科 五味正憲 | 2026/2/20 |
| 倫R08-07 | 医療療養型病棟における身体最小化の取り組みに関する研究 | 看護部 小森健吾 | 2026/3/11 |
| 倫R08-08 | 回復期リハビリテーション病棟におけるFIMアウトカム(利得・効率・実績指数・プラトー)と身体・栄養関連指数(体重、下腿周囲長、エネルギー充足率、タンパク質充足率)の関連に関する後ろ向き観察研究 | リハビリテーション科 理学療法士 | 2026/3/12 |
| 倫R08-10 | JOANR参加医療機関のため | 整形外科 荒木勧 | 2026/3/17 |
| 倫R08-14 | JND症例登録に関する倫理審査 | 脳神経外科 野村耕章 | 2026/4/7 |
| 倫R08-15 | 麻酔科医主導によるTKA術後疼痛管理の標準化-経口薬中心プロトコールの導入- | 麻酔科 津田詠子 | 2026/4/27 |
| 倫R08-16 | 当院における高齢者手術のリスク因子と転帰についての検討 | 外科、救急科 土師誠二 | 2026/5/8 |
| 倫R08-19 | リハビリテーション経過におけるTimed Up and Go testの経時的変化に関する単症例検討 | リハビリテーション科 理学療法士 | 2026/5/20 |
| 倫R08-20 | 生成AIと音声入力によるリハビリテーション診療記録の効率化と作業負担軽減:単施設前後比較研究 | リハビリテーション科 理学療法士 | 2026/6/2 |
| 倫R08-21 | 院内転倒リスク評価に向けたSPPB関連因子の探索:成人入院患者を対象とした横断研究 | リハビリテーション科 理学療法士 | 2026/6/2 |
| 倫R08-22 | 近視抑制治療のオルソケラトロジーと低濃度アトロピン点眼に関する研究 | 眼科 垣内遥 | 2026/6/4 |
| 倫R08-23 | 0.1%ピオクタニンブルー液(院内製剤クラスⅠ)の申請 | 薬剤部 徳山洋子 | 2026/6/6 |
| 倫R08-24 | 未破裂脳動脈瘤に対する血管内治療後の外来フォローについての後方視的研究 | 脳神経外科 松原功明 | 2026/7/13 |
| 倫R08-25 | 回復期リハビリテーション病棟退院後の生活機能に影響を及ぼす要因分析と予測モデルの確立(共同研究) | 関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科 楠田 耕平 | 2026/8/10 |
| 倫R08-27 | 1%ピオクタニンブルー液(院内製剤クラスⅠ)の申請 | 薬剤部 徳山洋子 | 2026/8/10 |
臨床研究の包括的同意について
―臨床研究への協力に関するお願いー
当院では、人を対象として職員が行う医学研究及びその臨床応用が、「ヘルシンキ宣言」(世界医師会 1964年6月,その後数回にわたって改訂)や「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(2021年6月30日施行)、「臨床研究法」(2017年4月14日公布、2018年4月1日施行)ならびに個人情報保護法等の趣旨に沿って、しかるべき倫理的配慮がはかれているか否かについて厳正な審査を行っています。この審査を行うために、蘇生会総合病院の倫理委員会において、院内で実施される臨床研究に関しては、診療により発生した診療情報(※1)や人および人由来の試料(※2)(以下「情報・試料」といいます。)を対象とする医学の研究に関し、試験計画、研究論文等について倫理的、科学的妥当性等を審査しています。
※1診療録・手術記録・検査記録・画像記録などのすべての情報のこと
※2血液・体液・手術や検査などで摘出された臓器、組織、その後作成されたプレパラートなどすべての臨床研究は、蘇生会総合病院倫理委員会の審査を通過して承認されなければなりません。
また、実施する臨床研究の内容に応じては、参加いただく患者さんに対して患者用説明文書を作成するなどして、研究の目的・方法、費用などに関して、十分に説明し参加の同意を求める「説明を受けたうえでの同意」(インフォームドコンセント)を受けることになっています。
患者さんの情報・試料の取り扱いについて
これらの研究で用いられる情報・試料の取り扱いについては、臨床研究の倫理審査により、個人情報の取扱い、研究の実施体制、利用目的の妥当性などについて厳正に審査しています。そのため、提供いただいた情報・試料を何らかの将来の医学研究に利用することについての同意(包括同意といいます)をお願いしております。これら包括同意をいただいた情報・試料については、臨床研究倫理審査委員会での審査を経て承認された研究に利用させていただきますが、その都度、提供者または代諾者等に御連絡をし、研究への利用の可否をあらためてお伺いすることはしておりません。
患者さんのプライバシー保護について
当院の個人情報保護方針に準じて行われます。データ収集の際には、患者さん個人を特定しうる情報(個人情報)は院内で厳重に管理し、個人が特定されないよう匿名化した上でデータの収集、解析が行われます。臨床研究の成果は、学会や医学雑誌などに発表されることがありますが、その際に患者さんのお名前や身元などが明らかになることはありません。
自由意志による同意に関して
情報・試料の研究利用に関して、ご承諾いただけるかどうかは、同意書交付の有無にかかわらず、個人の自由意志に委ねられています。同意されなくても、それによって不利益を受けることはなく、また同意はいつでも撤回することができます。
以上、ご不明の点がありましたら担当医にお尋ね下さい。
2026 年 3 月 27 日作成
