脳血管内治療センター

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蘇生会総合病院 脳血管内治療センター

脳血管内治療センターの紹介

脳神経疾患領域において、脳血管障害の治療は大きなウエートを占めており、その中でも脳血管内治療の役割は増大してきております。当院は日本脳卒中学会より一次脳卒中センターに認定されており、脳血管内治療専門医/同指導医2名が常勤にて診療に従事しています。予定治療のみならず緊急治療にも対応しています。当科と致しましても、脳神経外科手術治療に加えて積極的に脳血管内治療を進めていく方針です。
これまでに大橋経昭医師(脳血管内治療専門医/同指導医)、野村耕章医師(脳血栓回収療法実施医)を中心に行われてきた脳血管内治療診療体制に、松原功明医師(脳血管内治療専門医/同指導医、2021年7月1日より着任)が加わり、脳血管内治療を行う体制が充実しました。

現在、脳血管内治療を行う体制作りを進めています。ハード面では、2021年6月より、PHILLIPS社製の最新鋭血管撮影装置(Allura Azurion)が導入されました。バイプレーンフラットパネルシステムにより画質が大きく向上し、付属のワークステーションでは即座に3D血管撮影画像の作成が可能となりました。また、iPhoneを使用した画像転送システムを用いて、夜間休日においても迅速な画像診断を行う体制が整っております。
ソフト面では、脳卒中センターとして脳神経内科と合同で急性期脳卒中に対するチーム医療を行っております。 当院は日本脳卒中学会により、24時間365日脳卒中患者を受け入れ診療を行う「一次脳卒中センター」に認定されています。救急科・放射線部・看護部・臨床工学部との院内医療チーム連携により、安心安全に脳血管内治療が得られる体制を整えております。また、当科には日本脳卒中の外科学会技術認定医が在任しており、個々の症例に応じて外科手術にも対応しております。症例に応じて脳血管内治療と外科治療を適切に選択し、よりよい脳血管障害の診療を行っていきます。

脳血管内治療の利点は、開頭せずに血管の中から脳の疾患を治療できるところにあり、入院期間も5-7日程度ですみます。また、脳血管内治療は、開頭手術に比べると手術時間が短く、術後の創処置も不要で、周術期管理も行いやすくなります。脳血管内治療は患者さんにとって低侵襲であることは周知の事実ですが、医療スタッフの負担も軽減されると思います。脳血管内治療は24時間365日の緊急対応を求められる脳卒中診療において、より効率的に脳血管障害患者の治療を行う有効な方法であると考えております。
近隣の先生方や地域の医療機関とも連携しながら、脳血管障害の治療を進めていきたいと考えております。

脳血管内治療の主な対象疾患と治療手技

脳血管内治療の主な対象疾患と治療手技としては以下の治療があります。

  • 【1】脳動脈瘤(破裂脳動脈瘤/未破裂脳動脈瘤)に対するコイル塞栓術
  • 【2】頚部頚動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(CAS)
  • 【3】急性期脳梗塞(脳主幹動脈閉塞)に対する機械的血栓回収療術

その他、脳動静脈シャント疾患(脳動静脈奇形, 硬膜動静脈瘻)の治療等、ほぼすべての脳血管内治療に対応可能です。

脳血管内治療はデバイスの開発・改良により急速に進化を遂げている分野であり、次々に新しいデバイスが市場に出てまいります。当院においても新しいデバイスを積極的に取り入れ、脳血管内治療を行っています(Fig.1-3)。

文責 松原 功明(脳神経外科・脳血管内治療センター部長,脳神経血管内治療学会認定専門医・同指導医)

Fig.1 
脳動脈瘤コイル塞栓術(TERUMO社ホームページより)

脳動脈瘤に対するコイル塞栓術用のステント(LVIS)

Fig.2 
頸動脈ステント留置術(TERUMO社ホームページより)

二重メッシュ構造の頸動脈ステント(CASPER)

Fig.3 
急性期血栓回収療法(CERENOVUS社ホームページより)

ステント型血栓回収デバイス(EmbotrapⅡ)

次は脳血管内治療について

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