摂食機能療法と役割
摂食機能療法では、「食べる事ができない」「食べる事ができない形体がある」ことに対して、食べることができるようにアプローチします。食べることができない原因は人によって違いがあります。単純に口の中、歯、咽喉に限らず、全身状態や、食事を摂る環境にも原因はあるので、様々な職種が関わって介入します。例えば医師、言語聴覚士、看護師、管理栄養士などです。
「食べる」と言ってもその機能は様々で、食べ物を目で見て確認して、口に運んで口の中で噛む・飲み込む、そして胃に運ばれるまでの一連の流れのことを指しています。目で見て確認するところから胃に運ばれるまでの、途中のどこかに何らかの障害が起きれば食べることができなくなります。その障害の背景は脳血管疾患やその他の疾患の場合もあれば、飲み込むこと(嚥下)が上手くできなくてむせてしまう、食べるときの環境など色々とあります。食事ができるようになるために、食事をする場面だけでなく体の状態や環境などを考えて食べることができるように関わります。
摂食機能療法では、食べることができるよう訓練を一緒に行ったりアドバイスを行っています。具体的にはアイスマッサージや、口腔内の機能訓練、食べ物を使用しない間接的な訓練、食べ物を使用した嚥下訓練等を行います。また、食べる際の環境調整や体位調整、食器の工夫や自助具の指導等も含まれます。
活動メンバー
- SST:耳鼻咽喉科医 歯科医 看護師 言語聴覚士 歯科衛生士 管理栄養士
- 摂食嚥下リンクナース会:リンクナース 11名
摂食嚥下チームの活動内容
- 毎月 摂食嚥下チームリンクナース会を開催
- 症例発表
当院では、各病棟で摂食機能の低下が認められた患者様に対し、摂食嚥下サポートチーム(SST)が中心となって、計画の立案・実施・評価を一貫して行っています。
SSTは、医師(耳鼻咽喉科医・歯科医)、看護師(リンクナース)、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士など、多職種が連携して構成されたチームです。週1回の定期ミーティングでは、対象患者様の嚥下機能、栄養状態、全身状態などを多角的に評価し、最善のケアや支援方法を検討しています。
また、月に1回のリンクナース会では、実際の症例をもとに、摂食嚥下療法を進める上での困難や迷い、成功事例などを共有し、現場の課題解決に役立てています。これにより、看護師と専門職の連携を強化しながら、より効果的で安全な支援の提供を目指しています。
今後も、チーム全体での連携を一層深めながら、患者様一人ひとりに合わせた最適な摂食嚥下支援に努めてまいります。